(1)気候
プロヴァンス地方は
南は地中海、北はアルプス山脈まで
フランス南東部に位置しています。
地中海性気候のこの地方では
1年のうち300日以上が晴天。
年間の日照時間は何と2500時間。
日本が1500~2000時間ほどというので
雨が少なく、実に太陽に恵まれた環境にあります。
四季がはっきりと分かれ、夏は日差しが強く気温が高いものの
空気が乾燥しているので日陰や室内では涼しく過ごしやすいです。
冬は「
ミストラル」とよばれるアルプス山脈からローヌ河谷を通って
地中海に吹き降ろす冷たい北風が吹いて、
一気に冷え込み、雪が降ることもあります。
(2)文化
温暖な気候と美しい自然、多くの文化遺産が残るこの地には
偉大な芸術家たちが数多く移り住み、作品を残しています。
Mont Ste-Victoire Cezanne 「ひまわり」「アルルの跳ね橋」「アルルの女」を描いた
ゴッホ。
エクス・アン・プロヴァンスは
セザンヌの故郷。
ルノワールも地中海沿いの小さな町、カーニュ・シュル・メールで生涯を閉じました。
ピカソや
マティスも訪れるなど、芸術家たちを惹き付けてやまない地です。
ピーター・メイルの、「南仏プロヴァンスの12か月」
「南仏プロヴァンスの木陰から」「南仏プロヴァンスの昼下がり」
エッセイ3部作はじめ、プロヴァンスを舞台にした小説・映画なども
多く生み出されています。
(3)ラベンダーの聖地 奥プロヴァンスのシンボル、「
プロヴァンスの巨人」と言われる
「
ヴァントゥー山」Mont Ventoux
標高1909m、石灰岩に覆われた山は
白い雪をかぶったように見えます。
この地方のどこからでも見ることができ、
青空に高くそびえ立つ姿はまさに「
プロヴァンスの巨人」
山頂からは360度、アルプスの山々から地中海まで、
プロヴァンスのすべてを見ることができるといいます。
12~4月頃までは山頂はすべて雪に覆われます。
このヴァントゥー山の岩肌に野生のラベンダーが生息していて
ラベンダーにとっては“聖地”とも言うべき場所です。
山頂はゴツゴツした石灰質の岩肌に強い日差しが照りつけます。
(4)郷土料理
プロヴァンスでは、ラベンダーはじめ多くのハーブが
自生・栽培・生産されています。
郷土料理といえば、オリーブオイルとニンニク、トマト、
そして豊富なハーブをふんだんに使ったものが特徴です。
わたしのおすすめは
「
エルブ・ド・プロヴァンス」
Herbrs de Provence
昔からプロヴァンで愛され、食されてきた
ミックスのハーブです。
ウィンターセボリーsarriette、ローズマリーromarin
タイムthym、スイートマジョラムmajolaine
オレガノoriganなどがミックスされています。
ここにちょっとラベンダーが入れば気分はもう南仏プロヴァンス!
肉によし、魚によし、サラダ、玉子料理、スープ
何にでも合います。
特にトマトにはピッタリです。
海の幸と山の幸に恵まれたこの地方には
美味しくてからだにやさしいお料理のレシピがたくさんあります。
(5)伝統工芸品
17世紀に東インド会社からもたらされた技術に
プロヴァンスの自然の色が加味された
色鮮やかな
綿プリントがあります。
フランス南部にしか生息しないセミをモチーフにしたものや
ラベンダーやはちなどがモチーフになったものも数多くあります。
伝統的民族衣装にも使われています。
プロヴァンス特産のオリーブから作られた
「
マルセイユ石けん」や陶器。磁器なども有名です。
どこか素朴な味わいのあるプロヴァンスの工芸品は
それだけでこころ癒される感じが魅力です。
(6)プロヴァンス産ワイン
フランスに初めてぶどうの木が持ち込まれたのは
マルセイユだと言われています。
長い日照時間と水はけのよい石灰質の土壌が
ぶどう栽培には最適で、プロヴァンスからブルゴーニュなどへ
伝わっていきました。
もっとも知られているのがアヴィニョンを流れる
ローヌ川流域で造られるエレガントなワイン
シャトーヌフ・デュ・パプChâteauneuf-du-Pape 。
生産量でフランスナンバーワンを誇る
コート・ド・プロヴァンスCotes de Provence
も有名です。