憧れ続けた南仏プロヴァンスの
ラベンダー畑・・・・
イメージとしては、茶畑の緑色をまるまる青紫色に変えて
畝はもっと広く大きくした感じでしょうか。
1つ1つの株がものすごく大きくて
根元などまさに木の株。
「え~~~ラベンダーの根元って、こんなにすごいの~~」
地上から力強くグイッと突き出した足元にはびっくりでした。
高さは大きいもので1メートル、いやもっとそれ以上あったでしょうか。
まず、見たこともない大きさです。
それが畝になって長く広く続いているのだから
ただもう圧巻でした。
ラベンダーの故郷、南仏プロヴァンスは
とにかく抜けるように空が青くて、日差しが強くて
風はとても乾いている。
足元にはゴツゴツとした石灰質の乾燥した土。
あるのはラベンダーだけ。
ものすご~く静かで、ラベンダーの蜜を求めて飛んできた
ミツバチたちの羽音だけが聞こえてきた。
(ラベンダー畑には思いのほかミツバチがたくさん飛んでいるので
刺されないように要注意です!)
ものすごく静かな、静かな空間が広がっていました。
そしてその中で、ラベンダーが1つ1つ静かに凛とたたずんでいました。
大自然の中で、だたそこにある、そんな感じに・・・・
わたしも感動を超えて、ただそこに共にたたずんで
光を感じ、風を感じて、ラベンダーの花と
ミツバチの羽音をしばらくじっと聞いていました。
(5)バスが来ない!?
ヴァランソルからさらに東へ行ったところにある
リエスという町を目指しました。
再びマノスク~リエス間のバスに乗ります。
週3日、1日1往復のみのローカルバス。
マノスクから走って来るバスです。
マノスク発はたしか正午。
ヴァランソル発は午後0時30分の1本のみ。
リエスまでは約30分。
正午にはホテルを出てバス停に行きました。
これを逃したらリエスまでの“足”がなくなってしまうので
ちょっと余裕を持って。
0時30分・・・・あれ?バスが来ない・・・・
きっと遅れているのかも。
1時・・・まだ来ない
1時30分・・・・まだ来ない。
え~~~~何?どうしたの??
バス会社に電話しても不明。
いやいや、こちとら30分も前から待っているんだって・・・
いくらなんでも30分も前から待っているんだから
行ってしまったってことはないよね~~???
次のバスは・・・3日後の土曜日。
冗談じゃないわ、まさかそこまで待っていられないわ。
仕方なくタクシーを呼びました。
・・・・
リエスに着いてから再度問合せしてみましたが要領を得ず・・・
バスはあったのか、なかったのか。
フランスって、平気で何の知らせもなく
電車が1、2本来ないことって、あるよね・・・
ましてバカンスの真っ最中。
こういう時、追求しても埒があかないんですね、
フランスって国は・・・^^;
(6)ヴァランソル~リエス
リエスまでは30分足らず、
当初はまっすぐ
リエスまで向かう予定でした。
乗せてくれたタクシーの運転手さん(ヴァランソル在住)が
とても親切でいい感じのムッシューだったのと
うまいガイドにのせられて・・・^^
ムッシューによると、
リエスよりもう少し北東にある
ピュイモワッソンPuimoissonから
サン・ジュールSaint-Jurs方面に
広大なラベンダー畑が広がっているとのことで
思いがけず3時間ほどのラベンダー見物のドライブをすることになりました。
現地ドライバーがすすめるだけあって
す、すごい、すご~~~い
本当に、見事、一面に
青紫色のラベンダー畑が広がっていました。
まさに見渡すかぎり青紫色の大海原。
それはもう、何と表現したらいいのか、実に見事なものでした。
ちょっと小高い丘を走ればまるで広大に広がる青紫色のパッチワーク。
思う存分、心ゆくまでラベンダー畑を堪能しました。
おまけに、ラベンダーの精油を採取する蒸溜所と
野生ラベンダーが生息する場所にも案内してくれました。
フランス語でLavande vraieといわれる本物のラベンダー
「
真正ラベンダー」です。
「原生の本物のラベンダーが見られる」と聞いたら
それはもちろん見たい!絶対に見たい!
とは思ったものの・・・
ムッシュー・・・・どんどん山を登りはじめ
人家は絶え、対向車もなし。
もちろん人気もなし。
草木も生えていない、ただゴツゴツとした岩肌が見えるだけ。
車はどんどん、どんどん山道をのぼる・・・
ちょ、ちょっと・・・・・・大丈夫??
今までとっても親切だったけれど、
これって・・・・・急に態度が変わって
ここで身ぐるみ全部剥がされて
いきなりグサリとか・・・・
なんだかちょっと不安になってきました。
内心ヒヤヒヤしはじめたわたしたちの心とはうらはらに
車はいよいよ山頂付近へ・・・・
ムッシューに言われるままに車を降りてみたら・・・
そこにぽつり、ぽつり
何と!濃い青紫のラベンダーが・・・・
下で見てきたのとはまったくちがって
背丈はとても小さい。花穂も少ない。
でも、花の色は今までのどの花よりも濃い青紫色。
香りもすごく甘くフローラル。
これが、Lavande vraie、
真実のラベンダー。
広く大きな畝になったラベンダー(正確にはラバンディン)も
見事だったけれど、
こんな荒涼とした苛酷な岩肌に
ひっそりと、でも凛と色と芳香を誇っている
これがラベンダーの本当の姿。
真実のラベンダーに、ただただもう感動。
これはまったく予期していなかった出会いでした。
バスにはずいぶん待ちぼうけさせられたけれど
バスが来なくてよかった~
タクシーになってよかった~
タクシーになったおかげで
それまで思っていた以上の、思いもかけなかった
素敵な素敵な出会いがありました。
3度目の正直。
「思えば叶う」
あきらめないで、はるばる
ラベンダー畑を探し求めてきた甲斐がありました。
ちなみに、一瞬疑いの目を向けてしまったタクシーのムッシュー。
最後の最後まで親切な方で、リエス到着後
まだ宿泊先の予約をしていなかったわたしたちのために
ホテル探しに、値段交渉まで。
さらにはバス会社にもお付き合いいただき、
法外な金額を求めることなく規定料金でボッタクリなし。
本当にお世話になりました。
こんなフランス人もいるんだ、プロヴァンス人気質かな・・・
プロヴァンスムッシューとの出会いにも本当に感謝でした。
Bon voyage