剪定が命です

※このサイトのトップ画面に使っているセナンク修道院の9月、刈り取り後の風景です。
よく見ると下の方が木質化しているのがわかります。
花の姿からはちょっと意外ですが、
ラベンダーは花や草ではなく、常緑樹だったのですね。
なので株元から次第に茶色に木質化していき、
成長すると株元は太い木の幹になります。
開花期以外は一見すると何の木かわからない
「枯れ木」のような状態が長く続くラべンダーですが
開花期に美しく花を咲かせるためには
この一見「枯れ木」なような状態にさせる
剪定がとても大事な作業になってきます。
わたしの「バイオレットメモリー育て」も
ようやく1年ちょっとがすぎたところですが、
実はこの開花期以外の「枯れ木」時期が
ものすごく重要ではないかな、と感じています。
まだまだ見よう見まね、恐る恐るの剪定ですが
ちょっとまとめてみました。
剪定時期は基本的には年2回。
収穫後と越冬前に行います。
(1)収穫後
開花期のあと日本ではすぐに梅雨に入ります。
ラベンダーの故郷とは真反対の気候。
この時期が一番つらいときです。
その時期をうまく乗り越えられるかどうかが
ラベンダー育ての鍵だと思います。
梅雨のように日照時間が少なく
雨が長く続くじめじめした時期は
枯れた葉が腐ってカビや病気が発生しやすくなります。
この梅雨と蒸し暑い夏を上手に乗り切るために
花が咲かなかった枝を切り戻し、枝をすかして
株の内側まで風と日光が届くように
「切り戻し」をします。
☆アングスティフォリア系
開花したあとは軽く剪定します。
① 切り戻し
刈り取る位置は“わき芽の上”
株の内側や下のほうから出ている細い枝はつけ根から、
花が咲かなかった枝も全体の形に合わせて切り戻します。

② 枝すかし
枯れた葉は指で軽くこすってポロリと取れる葉だけ落とします。
無理に取ると株を傷めるので気をつけましょう。
①、②を1本1本、葉の様子をみながら行っていきます。
作業が終わったら、株元に落ちた葉は
腐ってカビや病気の原因になることがあるので
鉢の外に捨てるようにします。
株元まで光と風がとどくようになればOKです。

↑剪定前です。全体的にもさもさした感じになっています。
株元も枯れた葉っぱがついていて茂ってします。

↑剪定後です。すっきりとしました。株元も明るくなりました。
☆ラバンディン系
こちらは株も比較的大きくなるので
ある程度の花茎をひとまとめにして
ハサミや鎌などで強めに剪定します。
目安は、木質化した部分の上の葉を
1対(2枚)~3対(6枚)残す位置。
1本1本葉の様子をみながらではなく
株に花茎をあまり長く残さずに、数本持って思い切りバッサリと
最終的に「扇形」「半球状」になるようなイメージで
切り戻していきます。

南仏プロヴァンスのラバンディン畑も
収穫後、かなりバッサリと刈り取られていました。

ここは思い切って“すっきり”とさせましょう。
育てる地域、鉢の置き場所、品種、株の状態など
その環境や状況によってさまざまに異なるので
一概に「これ」とは言えないところがあります。
おおよその知識をつかんだら、
あとは自分のラベンダーとじっくりと向きあって
試行錯誤しながら育てていくしかないのかな、と思います。
収穫時、ぐずぐずいつまでも花を咲かせているのではなく
もっとも芳香がよい瞬間を狙って潔く“バッサリ”と、のラベンダーは
剪定も“すっきりと”が好きなようです。
剪定で枯らしてしまうことはないとのことなので
ここは思い切って剪定してみましょう。
(2)冬越し前(晩秋)
収穫後の切り戻し・枝すかし後、また芽が伸びてくるので
その伸びた芽を刈り取ります。
枯れた葉や伸びすぎた枝も
込んでいる枝を間引くつもりで剪定します。
冬越し後の早春に行ってもいいです。
その場合、新芽が出ていたら、新芽が出ているところを確かめながら
その上をハサミで切るようにします。
(3)強剪定
暖地では12月上旬、寒冷地では2月中旬~下旬
株の状態にもよりますが2年に1回程度の間隔で行います。
「切りもどし」とちがい思い切りよく、わき芽の位置も気にしないで
株元から1/3程度を残して切っていきます。
(木質化した部分だけになってしまう枝もでてきますが大丈夫)

↑ラベンダーは木質化した茎からでもちゃ~んと芽を出してきます
イメージとしては、もともとの株全体の大きさが
株元から1/3より上の部分がすべて切り取られ
残りの1/3程度の大きさになる感じです。
枯れた枝、込み合った細い枝などもつけ根から切っておきます。
寒冷地を除き、根鉢をくずさなければ、同時に植え替えも可能です。
翌年は、株が活性化して若々しい枝が数多く芽吹いてくるとのこと。
わたしの「バイオレット」も今年の冬越しの前に
強剪定しようと思います。
でも、「ばっさり」って、新芽がちゃんと出てきてくれるまでは
やっぱりちょっと不安ですよね~
しっかりと向きあって見守っていきたいものです。

(4)バイオレットメモリーの場合
昨年はとにかくすべて手探り状態。
あれやこれや解説書をさがしながら育てていました。
冬が近づいたころ
「そっかぁ~、冬を越すには短く切ってあげないといけないのね」
と剪定のことを知り、
解説書にしたがって
「(緑色の部分の)上から3分の1くらい残してあとはバッサリ」
恐る恐るやってみました。
そうしたら、そのうち・・・
上から下までまるまる茶色になっていまい
葉っぱなどは簡単にポロリと取れてしまう。
(大丈夫なの??)
冬の間は、すべてまっ茶色で
丈も変わらず、まったく動きなし
枯れているのか、枯れていないのか
まったくわからないような状態でした。

それでも何とか無事に越冬して新芽が出て、花を咲かせてくれたわけですが
今年は、花数は去年より多いものの、思えば背丈が低い感じ。
あまり高く伸びないままに花が咲いて今シーズンが終わりました。
株も何となくバラバラしている感じです。
理想の株は半球状にがっしりとした形。
さて、これはどうしたらいいものか、
多分「剪定が命」
剪定に鍵があるのでしょうね・・・
手探り状態のラベンダー育てが続きます。
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