(1)ロンドンの大疫 イギリスに最初にラベンダーを持ち込んだのはローマの兵士たち。
14世紀始めころから、
修道院で治療効果のある薬草として
多くのラベンダーが栽培されるようになりました。
1665年の大疫で10万人以上の死者が出た際には、
大気を洗浄するために、教会などで多くのラベンダーが燃やされたそうです。
(2)中世貴族の奥方さま
貴族の奥方さまの間では、
軟膏、気つけ薬、きず薬などに調剤されて使われていました。
チャールズ1世の貴妃、
ヘンリエッタ・マリア・オブ・フランスは、
ラベンダーの花を刻んで粉砂糖と混ぜ、
ローズウォーターでペースト状に練った砂糖菓子が大好物で、
これをビスケットなどに塗って食べていたといわれます。
ラベンダーの高貴な香りと甘い香りに包まれて
何とも
“優雅なお茶の時間”が目に浮かぶようです^^
(3)“アロマテラピーの創始者”ガットフォセ ガットフォセこと、
ルネ=モーリス・ガットフォセ博士は、フランスの化学者、調香師。
1937年に出版した
『Aromatherapie』(※
アロマテラピー:芳香療法)という著書で
アロマテラピーという言葉を初めて使ったことから
“アロマテラピーの創始者、先覚者”と言われています。
(※アロマテラピーとは、精油を植物油で希釈したものを使って、
香りの拡散、吸入などの方法によって心身の不調を癒す療法。
近年、日本でも盛んに導入されるようになりました。) この
ガットフォセ博士、ラベンダーを語るのに忘れてはならない人物です。
その著書『
Aromatherapie』の中に、次のように記されています。
「少量のエッセンスを皮膚に塗ることによって、
急速に壊疽に進行している傷の広がりを止めます。
私個人の経験を話せば、
研究室が爆発した際に、私に燃えさかった物が覆い被さり、
とっさに芝生にころげて火を消さなければならないほどでした。
そこで、ラベンダーのエッセンスですすいでみたところ、
組織のガス壊疽進展をたった1回で止めてしまったのです。
この処置によって、次の日に大量の発汗を引き起こし、治癒し始めたのです。」
(1910年7月)
ラベンダーの驚異的な治療作用がよくわかるとても有名なエピソードです。
(4)第二次世界大戦でも 第二次世界大戦のとき、フランスの軍医だった
ジャン・バルネ博士は
ラベンダーの優れた殺菌消毒、鎮痛作用に着目し、
負傷した兵士の火傷や傷の手当、疾患などに
ラベンダーの精油を使用。
前述のガットフォセ博士の著書『Aromatherapie』の中に、
「○月○日に~の傷にラベンダーを塗布、傷が~に変化して○月○日に完全治癒」と、
医師の所見も記されています。
ますますラベンダーの精油の作用のすごさを感じますね~
ラベンダーって本当にすごい。
(5)ペストにもラベンダー 北欧でも古くからラベンダーの治療効果は知られていて、
ペストの流行時には、小枝をローズマリーやアンジェリカといっしょに
感染者の家で薫蒸したといわれています。
もともとは薬用植物として、2000年以上も前から処方されていた
ラベンダー。
次第に花壇や家庭菜園のも植えられるようになり
日常生活のなかで、防臭、防虫、美容などのほか
香料としても使われるようになりました。
日本でも北海道をはじめとしてさまざまな場所で栽培されています。
その色や芳香のすばらしさから、
ラベンダーは世界中の多くの人から愛されています。
さすが、
ラベンダー^^